国交省港湾局 コンテナダメージの確認 システム導入資料を公表

国土交通省港湾局は、国際コンテナ戦略港湾の機能強化に向け「ヒトを支援するAIターミナル」の実現に向けた取り組みの一環として、コンテナターミナル(CT)におけるコンテナのダメージチェックの高度化について実証試験し、その成果を「コンテナダメージチェックシステム導入参考資料」としてとりまとめた。
 港湾局では、同資料を参考にコンテナダメージチェックシステムを導入することにより、CTの生産性の向上と労働環境の改善に寄与することを期待している。CTにおいて関係事業者間でのコンテナの引き渡しの際にその損傷状況を確認する「ダメージチェック」は、現在、目視によって確認しているが、コンテナ1本ごとに高所作業を含む確認作業が必要で、生産性の向上と安全性などの労働環境の改善などが課題となっている。港湾局では19年度以降、コンテナのダメージチェックを高度化する検討を開始、コンテナの物理的な状態に関するデータを、カメラやセンサーといった機器により遠隔で取得するプロトタイプモデルの開発とCTにおける実証試験、AIの活用などによるダメージ判定、ダメージ情報の電子化・記録などを実証した。同実証試験により、機器による遠隔でのコンテナ状態データ取得・記録が可能であること、また、機器により取得したデータを組み合わせることで人による遠隔でのダメージチェックが可能であることが確認できた。
 さらに同実証試験においては一部の種類のダメージ(腐食ダメージ)での検証に留まるものの、AIでのダメージ判定によりダメージの無いコンテナをスクリーニングするなどダメージチェック作業を効率化できる可能性も確認できた。これらの実証試験の内容(プロトタイプモデルの機器構成など)や結果、ダメージチェックの高度化により期待できる効果、今後の課題などを「コンテナダメージチェックシステム導入参考資料」としてとりまとめた。